BCP対策における発電機の種類は?必要な理由や用途を解説
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災害や停電などの緊急事態に備えるために企業が行うBCP対策の中で、発電機の役割は非常に重要です。
停電が発生すると、建物内の照明や空調が使えなくなり、業務を継続することが難しくなるだけでなく、命の危険も発生します。
さらに、医療機関では生命維持に欠かせない医療機器の停止リスクもあります。
この記事では、BCP対策における発電機の用途や、種類について詳しくご紹介します。
BCP対策はなぜ必要なのか
BCP対策は、災害や事故などの緊急事態が発生しても、できる限り企業活動を早く再開し、安定して継続するために必要です。
災害が多い日本では、企業がBCP対策を策定することで、従業員や顧客などの関係者の安全を守り、事業の損失を最小限に抑えることができます。
また、BCP対策を行うことで、地域や社会全体の安心にもつながります。緊急時のために備えることで、企業の信頼性を高める評価対象ともなるのです。
発電機は何に使う?
災害時に停電が発生すると、生活や企業活動が一気に困難になってしまいます。
そんな時に役立つのが非常用発電機です。
発電機は、照明や空調をはじめとする基本設備を動かすほか、病院などでは医療機器の安定稼働にも不可欠です。
BCP対策として発電機を備えることで、いざという時に必要な電力を確保し、安全を守ることができます。
ここでは、発電機の用途についてご紹介します。
照明・空調などの設備機器
災害などの緊急時には、停電が発生する可能性が高く、その中でも重要となるのが建物内の照明や空調です。
発電機は、基本的な設備機器に電力を供給する役割を担っています。
停電が続くと、日中でも室内が暗くなるため、リスクが増えます。
特に高齢者や体が不自由な方にとっては大きなリスクとなるでしょう。
加えて、空調が使用できないと、夏場には熱中症のリスクが、冬場には低体温症のリスクが高まります。
これらのリスクを防ぐために、発電機によって安定的に照明と空調を稼働させることが、BCPの中で重要とされています。
医療機器
医療機器も、災害時のBCP対策で優先的に電力を供給すべき設備です。
酸素供給装置や心電図モニターなど、患者さんの生命を維持するために直結する医療機器は、停電が起きても常に稼働し続ける必要があります。
また、透析装置や点滴ポンプといった医療機器も、長時間の停電が続くと治療が滞り、患者さんの体調に悪影響を及ぼすリスクが増大します。
このような医療機器を安定的に稼働させるために発電機を備えておくことが、緊急時においても患者さんの安全を確保するための大切な準備です。
医療機関のBCP対策には、停電が起こった場合でも必要な治療が続けられるよう、発電機の使用が欠かせません。
BCP対策における発電機の種類
BCP対策として設置する発電機には、さまざまな種類があります。
災害時や停電時に備えるため、それぞれの発電機の特徴を知り、環境や用途に合ったものを選ぶようにしましょう。
ここでは、発電機の種類として、ディーゼル発電機、ガソリンエンジン発電機、定置式LPガス発電機、可搬式LPガス発電機の4つについてご紹介します。
ディーゼル発電機
ディーゼル発電機は、災害時のBCP対策としてよく利用される発電機の一つです。
ディーゼル燃料は保存性が高く、長期間の備蓄が可能なため、災害時の停電が長引く場合でも継続的に発電できるのが大きなメリットです。
また、ディーゼルエンジンは燃費が良く、長時間運転が可能なため、エネルギー消費を抑えながら電力供給することが可能です。
一方で、エンジンが大きいため騒音が発生しやすく、設置スペースが必要になる場合もあるため注意が必要です。
そのため、施設内で利用する場合には防音対策や排気設備の整備も行いましょう。
BCP対策としては、停電時でも長時間の電力供給を確保したい場合に、ディーゼル発電機がおすすめです。
ガソリンエンジン発電機
ガソリンエンジン発電機は、ディーゼル発電機に比べてサイズが小さく軽量で、設置や持ち運びが容易な点が特徴です。
そのため、緊急時に手軽に使用できる点で企業だけでなく家庭でも利用されています。
ガソリンは入手しやすく、取り扱いも簡単なので、BCP対策として用意する場合にも手軽といえるでしょう。
しかし、ガソリンは揮発性が高く、長期保存には適していません。
そのため、こまめに入れ替えるなどの管理が必要になります。
また、ガソリンエンジンはディーゼルに比べ燃費が悪く、長時間の連続使用には不向きなので、ガソリンエンジン発電機は一時的な電力供給や短時間の緊急使用を目的とする場合におすすめです。
定置式LPガス発電機
定置式LPガス発電機は、ガス管に接続することで常時電力供給が可能な発電機です。
LPガスを使用しているため燃料がクリーンで、環境への配慮が必要な施設におすすめです。
また、定置式であるため、災害時でも安定して発電が可能で、ガスの供給が継続されている限り長期間にわたり稼働させることができます。
さらに、ディーゼル発電機に比べて静音性が高く、騒音対策も必要最低限で済むことが多いため、病院や高齢者施設などの静かな場所にもぴったりです。
ただし、初期設置には工事が必要で、設置場所や費用について事前に確認する必要がある点だけ注意が必要です。
可搬式LPガス発電機
可搬式LPガス発電機は、持ち運び可能な小型サイズの発電機で、災害時に必要な場所へ移動して使える点が特徴です。
小型なので多くのスペースを取らずに保管ができ、いざという時には迅速に対応できる点が魅力です。
また、LPガスボンベで稼働するため、燃料の補充が簡単で、比較的安定して供給することが可能です。
使用する際には、ガスボンベを取り付けるだけで起動できるため、複雑な操作も不要です。
一方で、ガソリンエンジン発電機に比べると出力はやや低いため、限られた機器への電力供給が中心となります。
短時間の停電対策として役に立つでしょう。
発電機は72時間稼働するものを選ぶ
非常用発電機は72時間連続で稼働できるものを選ぶようにしましょう。
これは、内閣府が目安として定めているもので、災害直後は72時間が人命を守るための重要な時間とされているためです。
この基準は、食料や水が手に入らない状態で人が耐えられる時間が一般的に72時間とされていることや、阪神淡路大震災の際に72時間を過ぎると生存率が急激に下がることが確認されたことから設けられました。
はじめは医療分野での基準でしたが、命を守るために、非常用発電機でも推奨されるようになりました。
非常時に72時間稼働する発電機を備えることは、救助が届くまでの時間に安全を確保し、生存率を高めるために欠かせない対策です。
導入後はメンテナンスをお忘れなく
非常用発電機は、いざという時に確実に稼働できるように定期的にメンテナンスを行いましょう。
非常用発電機のメンテナンスについては電気事業法や建築基準法、消防法といった法令で定められています。
災害時に発電機が正常に機能するために必要とされています。
発電機を長期間使用せずにいると、部品が劣化したり、燃料が劣化したりする可能性があります。
定期的にメンテナンスや試運転を行うことで、必要なときに確実に動くよう保つことが可能です。
発電機でお悩みの方は日本BCP株式会社にご相談ください
この記事では、BCP対策における発電機について、用途や種類などについてご紹介しました。
発電機は緊急時に停電が発生した場合や、電力の供給が不安定になった場合に非常に役立ちます。
また、緊急時は不安な気持ちで落ち着けないシーンが多くなりますが、電力があるだけで気持ちの安定にもつながります。
もし現在、発電機についてお悩みの方は、日本BCP株式会社にご相談ください。
環境や用途に合わせた発電機を選びましょう。
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