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非常用発電機の種類は?設置基準・自家発電機との違いなどをご紹介

非常用発電機

非常用発電機には、防災用や保守用などのいくつかの種類があります。

この記事では、非常用発電機の種類や設置基準などについて詳しくご紹介します。

非常用発電機の種類は?

非常用発電機は、停電時に電力を供給して、施設や建物の安全を守るために重要な役割を果たします。

これにはいくつかの種類があり、それぞれ目的に応じて使い分けられています。

ここでは、5つのタイプについて詳しくご紹介します。

防災専用非常用発電機

防災専用の非常用発電機は、火災などの緊急時に作動し、消防設備などの防災負荷へ電気を供給する発電機です。

停電を検知すると、40秒以内に自動でスプリンクラーや火災報知器などの設備に電力が送られます。

 

この発電機は、ホテルや病院、ショッピングセンター、高齢者施設など、たくさんの人が集まる場所に設置されています。

万が一の火災時には、こうした防災設備が適切に作動することで被害の拡大を防ぐのです。

法令により、定期的な点検が義務付けられており、安全に作動するよう維持管理が行われています。

保守用非常用発電機

保守用の非常用発電機は、建物のオーナーが停電時にも継続して電力を供給したい設備に向けて使う発電機です。

消防設備のように人命に関わるわけではないため、設置は義務ではありませんが、企業の事業継続計画(BCP)として導入されることが多いとされています。

 

例えば、冷凍・冷蔵倉庫などでは、停電時に電力が途絶えると多くの食品がダメになってしまう可能性があります。

保守用発電機があれば、停電後も電力を維持し、事業の損失を防ぐことができます。

定期的なメンテナンスを行い、停電時に確実に作動するようにしておくことが重要です。

防災および保守兼用非常用発電機

防災および保守兼用の非常用発電機は、防災専用と保守用の役割を兼ね備えた発電機です。

火災時の防災設備への電力供給に加えて、冷蔵庫や医療機器など建物内の重要な設備にも電気を送ることができます。

 

そのため、防災専用の発電機よりも大きな容量が求められることが多く、より広範囲の設備をカバーできるのが特徴です。

病院や商業施設など、さまざまな用途で活用されており、停電時の安心感を高める発電機です。

ガスタービンエンジン

ガスタービンエンジンは、空気と燃料を燃焼させ、その力でタービンを回して電力を生み出す発電機です。

ディーゼルエンジンに比べて振動や騒音が少なく、黒煙も出にくいのが特徴です。

また、機器自体がコンパクトなので設置スペースを取りません。

 

一方で、機器の価格が高く、排気や給気の量が多くなるため、大型の排気ダクトや給気設備が必要になります。

そのため、設置には大規模な工事が必要になることも。

 

500kVA以下の建物ではディーゼルエンジン式が選ばれることが多く、500kVAを超える大規模施設ではガスタービン式が適しています。

施設の規模やニーズに合わせて選定することが重要です。

ディーゼルエンジン非常用発電機

ディーゼルエンジン式の非常用発電機は、非常用発電機の中でも一般的に使用されている発電機です。

エンジンのタイプによって「トラック用エンジン」と「船舶用エンジン」の2種類があります。

トラック用エンジン

トラック用のディーゼルエンジンは、量産されているため比較的安価で、非常用発電機に流用しやすいのが特徴です。

小型の非常用発電機に適しており、コストを抑えたい施設で採用されています。

 

ただし、大型のエンジンがないため、大規模施設には不向きです。

また、回転数を上げて出力する方式のため、発電機としてのトルクが小さくなる点がデメリットです。

船舶用エンジン

船舶用のディーゼルエンジンは、トルクが大きく、長時間安定した回転数を維持できる設計です。

非常用発電機としての性能が高く、大規模施設や重要設備を持つ施設で使用されます。

 

価格はトラック用エンジンよりも高額ですが、火災時など緊急時の信頼性が高く、安定した電力供給が求められる場面で推奨されます。

非常用発電機の設置基準は?

非常用発電機を設置するには、いくつかの法律や基準をクリアする必要があります。

ここでは、消防法、建築基準法、電気事業法の3つの観点から解説します。

消防法

消防法では、非常用発電機の設置にはさまざまな届け出が必要です。

工事の着工前には「工事整備対象設備等着工届」を提出し、設置後には「消防用設備等設置届」などが求められます。

点検は6ヶ月ごとに機器の状態を確認する「機器点検」と、年に1回の「総合点検」が義務付けられています。

いざというときに確実に作動するかを確認するための重要な作業です。

建築基準法

建築基準法では、建物の建築確認申請時に非常用発電機の設置図面を添付します。

完了検査の際には試験結果や検査記録の提出が求められ、半年から1年ごとに定期点検が必要です。

有資格者が点検を行い、その結果を行政に報告します。

電気事業法

電気事業法では、10kW以上の発電機は「電気工作物」として扱われます。

発電機の設置者は正しい運用・管理を行わなければなりません。

特にガスタービン式発電機は、すべて点検対象となるので注意が必要です。

非常用発電機と自家発電機の違いは?

非常用発電機は、停電が起きたときだけ稼働する発電機です。

電力会社の供給が途絶えると自動で作動し、停電が解消されると自動的に停止します。

緊急時のバックアップ電源として、災害対策で設置が義務付けられている防災用発電機や、停電時に設備を守る保安用発電機があります。

 

一方で、自家発電機は日常的に稼働し、電力会社の供給があるなしに関係なく発電します。

太陽光発電や風力発電、ガスを使った発電などが該当します。

企業や工場で導入されることが多く、自家消費を目的としたものが主流です。

停電時だけでなく、電力使用の効率化にも役立つのが特徴です。

家庭用非常用発電機の種類は?

家庭でも使える非常用発電機にはいくつかの種類があります。

ここからは、インバーター発電機、スタンダード発電機、サイクロコンバーター発電機の3つをご紹介します。

インバーター発電機

インバーター発電機は、災害時やアウトドアイベントなどで活躍する小型の発電機です。

燃料はガソリンのほか、カセットボンベを使うタイプもあり、家庭用や業務用として広く使われています。

 

インバーターとは、電力を安定させる装置のこと。

これにより家庭のコンセントと同じくらい安定した電気が供給されるため、パソコンや電子レンジなど精密機器も安心して使えます。

精密機器は電気の質が不安定な発電機では故障する可能性があるので、インバーター発電機が最適です。

スタンダード発電機

スタンダード発電機は、構造がシンプルで高出力を生み出せる発電機です。

価格が手頃でメンテナンスも簡単なため、工事現場やアウトドアなどさまざまな場面で使われています。

 

ただし、電力の供給が不安定なことがあるため、精密機器には向いていません。

ライトや電動工具など、精密さを求められない機器での使用が基本となります。

サイクロコンバーター発電機

サイクロコンバーター発電機は、大量の電気を必要とする場面に適した発電機です。

50Hzと60Hzの両方の周波数を切り替えなしで出力でき、効率よく電気を供給できます。

 

電気のロスが少なく、発電コストが抑えられるのが特徴で、大型の電気機器を使う場合や非常時の電力供給に向いています。

単相100Vと単相200Vを同時に出力できるため、家庭だけでなく業務用としても活躍します。

非常用発電機でお悩みの方は日本BCP株式会社にご相談ください

この記事では、非常用発電機の種類や設置基準、家庭用非常用発電機の種類などについてご紹介しました。

もし現在、非常用発電機についてお悩みの方は、お気軽に日本BCP株式会社にご相談ください。

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