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工場のBCP対策のポイントは?災害のリスク・ガイドラインをご紹介

BCP BCP対策

災害が発生すると、工場では製造ラインがストップしたりサプライチェーンを失ったりするなどのリスクが考えられます。

しかし、緊急事態が発生した場合でも、企業活動を継続させられるように対策を考えておくことが大切です。

この記事では、工場のBCP対策のポイントなどについて解説します。

工場で災害が発生した時のリスク

工場は大きな設備や製造ラインがあるため、一般企業とは違ったリスクが考えられます。

ここでは、工場で災害が発生した時に考えられるリスクを3つご紹介します。

製造がストップしてしまう

災害が発生すると、まず工場の稼働が停止する可能性があります。

機械や設備が損傷するだけでなく、停電やガス供給の停止なども影響するからです。

自動化された生産ラインでは、ひとつの機器が動かなくなるだけで全体が止まってしまいます。

製造がストップすることで製品の納期に遅れが生じ、取引先からの信頼を損なうリスクも。

また、復旧には時間と費用がかかり、損失が大きくなることも避けられません。

サプライチェーンがストップしてしまう

工場で災害が発生すると、製造が止まるだけでなく、サプライチェーン全体にも影響が及ぶことが予想されます。

たとえば、原材料の調達が滞ったり、完成品の出荷ができなくなったりすることです。

これにより、取引先や流通業者が困るだけでなく、関連する企業全体の活動にも連鎖的に影響が広がってしまいます。

また、海外の取引先がいる場合、影響はさらに広範囲に及ぶでしょう。

一度サプライチェーンが寸断されると、復旧に多大な時間がかかるため、日頃からバックアップ体制や分散型の供給網を構築する必要があります。

システムデータを失ってしまう

工場では、生産管理や在庫管理のために多くのデータが使用されています。

災害が発生した場合、停電やシステムの故障によってこれらの重要なデータが失われるリスクがあります。

特に、バックアップが定期的に行われていない場合、過去の記録や生産計画を一から立て直す必要が生じるため、大きな混乱を招くだけでなく、復旧にかなりの時間を要するでしょう。

また、サイバー攻撃などによるデータ流出も懸念されます。

こうしたリスクに備えるためには、データのクラウド保管や定期的なバックアップの実施、災害対策を考慮したシステム設計が欠かせません。

工場のBCP対策で策定すべきポイント

災害が発生しても工場の業務を継続するためには、事前にBCP(事業継続計画)を策定しておくことが大切です。

BCPは、被害を最小限に抑え、事業の早期復旧を目指すための計画です。

ここでは、工場のBCP対策で策定すべきポイントを7つご紹介します。

起こり得る災害と被害規模を推測

BCPを策定する際には、まず自社の工場に起こり得る災害を把握し、それがどの程度の被害をもたらす可能性があるかを推測しましょう。

たとえば、地震や台風、洪水など地域特有のリスクをリストアップし、それらが設備や生産ライン、従業員に与える影響を具体的に想定します。

過去の災害データなどの資料を参考にすることで、現実的な被害規模を推測することができます。

従業員の安全確保

災害時に最優先すべきは、従業員の安全です。

BCPには、従業員の避難経路や避難場所、緊急時の連絡手段を明記しておきましょう。

また、火災や地震などの具体的な災害を想定し、それぞれの状況に応じた行動指針を決めておくことも重要です。

例えば、地震発生時には機械を停止し、指定の避難場所に速やかに移動する手順を定めるなど、安全確保のための具体的な内容を計画に組み込む必要があります。

継続させる業務の優先順位の決定

災害時にはすべての業務を通常どおり続けるのは難しいため、優先して継続すべき業務を決めておくことが大切です。

たとえば、顧客への納品が最優先となる場合は、そのために必要な製造ラインや物流システムを早期復旧の対象とします。

また、取引先や顧客との連絡を保つための通信手段も決めておくことが重要です。

優先順位を決める場合には、社内全体で話し合いを行い、合意した上で進めていくことが大切です。

こうした対策が、災害時の混乱を最小限に抑えます。

在庫の保管先の分散

災害に備えて、在庫品を一箇所に集中させずに複数の場所に分散して保管することも重要です。

一箇所に全ての在庫が保管されている場合、そこが被災すると商品や原材料が失われてしまい、製造が継続できなくなる可能性があります。

保管先の分散は、特にサプライチェーン全体を考慮した上で計画する必要があります。

たとえば、別の地域に倉庫を設けたり、物流業者と契約することでリスクを軽減できるでしょう。

この分散型の管理は、災害時だけでなく、通常の運営においても柔軟性を高めるため、ぜひ検討してみてくださいね。

代替工場の設定

災害によって主要な工場が稼働できなくなった場合に備え、代替工場をあらかじめ設定しておくことも重要です。

同じ地域に代替工場を設置すると、広域災害の際に同時に被災してストップしてしまうリスクがあるため、できるだけ離れた地域に拠点を設けることが理想的です。

また、代替工場が本社や取引先とスムーズに連携できるよう、通常時から生産ラインや物流体制の確認を行い、訓練を実施しておきましょう。

この備えが、災害時の迅速な対応につながります。

マニュアルの作成

災害時に慌てず行動するために、従業員がいつでも確認できるようにマニュアルを作成しておくことが大切です。

このマニュアルには、避難手順や災害発生時の初動対応、復旧作業の流れなどを分かりやすく記載しましょう。

図や写真を使って視覚的に理解しやすい内容にするのもおすすめです。

また、マニュアルをデジタル化し、スマートフォンやタブレットでいつでも閲覧できるようにすることも検討しましょう。

従業員全員が災害時に頼れる情報を持つことで、冷静な対応が可能です。

定期的な訓練の実施

BCPは策定しただけでは不十分で、それを実践できる体制を整える必要があります。

そのためには、定期的な訓練を行いましょう。

たとえば、避難訓練やシステム復旧のシミュレーションを行い、実際の災害時に備えると良いでしょう。

訓練を通じて従業員の意識が高まり、計画の不備や改善点も見つけやすくなります。

また、訓練後にはBCPの内容を随時見直すことで、より効果のある計画を立てられます。

BCP対策のガイドライン

BCPを策定する際には、政府が公開しているガイドラインを活用することがおすすめです。

ガイドラインは、災害時や緊急時に企業活動を継続するための具体的な方法や事例が詳しく記載されています。

ここでは、主要なガイドラインについてご紹介します。

事業継続ガイドライン|内閣府

内閣府が公開している事業継続ガイドラインは、あらゆる企業が参考にできる内容となっています。

テレワークの導入や情報セキュリティの確保といった、現代の働き方に即した対策が詳しく解説されています。

また、水害や土砂災害への備え、さらに海外にグループ企業を持つ企業向けの指針も含まれています。

自社の状況に合わせて活用しやすいのが特徴です。

初めてBCPを策定する企業だけでなく、既存の計画を見直したい場合にも役立つ内容となっています。

知る・計画する : 防災情報のページ – 内閣府

中小企業BCP策定運用指針|中小企業庁

中小企業庁が作成した「中小企業BCP策定運用指針」は、特に中小企業に向けた内容となっています。

現実的で実践的な内容が特徴です。この指針に従って作業を進めると、実際に使える書類を完成させることが可能です。

令和元年度から推進されている「事業継続力強化計画認定制度」と併せて活用することで、より実効性のある対策を講じることができます。

初めてBCPに取り組む中小企業にとって、非常に参考になるガイドラインです。

中小企業BCP策定運用指針

工場のBCP対策でお悩みの方は日本BCP株式会社にご相談ください

この記事では、工場におけるリスクやBCP対策の策定ポイント、ガイドラインなどについて詳しくご紹介しました。

工場はリスクが多くあるため、自社に適応した策定を行うことが大切です。

もし現在、工場のBCP対策でお悩みの方は、日本BCP株式会社にご相談ください。

緊急時でも企業活動が継続できるように、具体的な対策を行いましょう。

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