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非常用発電設備にメンテナンスが必要な理由は?チェック項目などを解説

BCP 非常用発電機

非常用発電設備は、定期的なメンテナンスが必要です。

さまざまな法律によってメンテナンス内容や頻度が定められているため、できるだけ受けるようにしましょう。

今回の記事では、メンテナンスが必要な理由やチェック項目などを詳しくご紹介します。

非常用発電設備にメンテナンスが必要な理由

非常用発電設備は、災害や停電のときに生活や事業を支える非常に重要な設備です。

しかし、普段使わない分、いざというときに正常に稼働させるためには、日頃からのメンテナンスが欠かせません。

定期的な点検や部品交換を行うことで故障を防ぎ、安心して使える状態を保てます。

非常時に頼りになる発電設備にしておくために、メンテナンスの大切さを理解しておきましょう。

緊急時に正常に稼働させるため

非常用発電設備は、災害や停電などの緊急時に生活や事業を守るために必要です。

しかし、設備が正常に稼働するためには日頃からのメンテナンスが欠かせません。

普段は使わないため、いざという時に不具合が起きる可能性があるからです。

定期的にメンテナンスを行い、燃料の状態やバッテリーの残量、各部品の劣化をチェックしておくことで、緊急時に確実に発電できるようになります。

突然のトラブルを防ぐためにメンテナンスを行うようにしましょう。

停電時でも電気設備を使えるようにするため

停電が発生すると、照明やエレベーターなどの電気設備が使えなくなり、大きな影響が出ます。

非常用発電設備は、このような停電時でも必要な電力を供給し、安全な環境を維持するために欠かせません。

しかし、設備が正常に動作しないと役割を果たせません。いつでも必要な電力を供給できるようメンテナンスを行うようにしましょう。

非常時にも医療行為を継続させるため

医療機関の場合、停電が発生しても生命維持装置や手術室の照明、医療機器などの電力供給が途絶えることなく稼働し続ける必要があります。

非常用発電設備が正常に動作しないと、患者の命に関わる重大な問題が起きることも。

そのため、定期的なメンテナンスを行い、いつでも非常時に備えられるようにしましょう。

非常用発電設備のメンテナンス方法

非常用発電設備のメンテナンスには、消防法や建築基準法、電気事業法に基づくいくつかの点検があります。

発電機やエンジン、制御装置の状態の確認などを行います。ここでは、法律別のメンテナンス内容をご紹介します。

消防法による点検

非常用発電設備の点検には、消防法に基づく予防的な保全策が含まれます。

まず、発電機の主要な部品や冷却水、潤滑油の状態を確認し、劣化が見られる場合には部品を交換します。

また、発電機に負荷をかけて電圧や電流、周波数などの動作を測定する負荷試験も重要です。

これにより、発電機が正常に稼働するかを確かめます。

点検の頻度としては、機器点検が半年に1回、総合点検が年に1回、内部の状態を詳しく観察する内部観察は1年に1回行います。

また、消防法による点検では、負荷試験も行います。

負荷試験とは、火災時に非常用発電機が正常に動作するかを確認する試験のことです。

基本的には1年に1回、この試験を受ける必要がありますが、「予防的保全策」を毎年行う場合は負荷試験の実施は6年に1回受ければ良いとされています。

建築基準法による点検

建築基準法に基づく点検では、非常用照明の正常な点灯や蓄電池の状態を確認します。

非常用照明がきちんと点灯するかどうかは、災害時の避難を安全に行うために欠かせません。

また、蓄電池の触媒栓の有効期限や液漏れがないかを確認することで、電気の供給が途切れないようにします。

点検は、6ヶ月から1年に1回行うことが推奨されています。

電気事業法による点検

電気事業法に基づく点検には、月次点検と年次点検があります。

月次点検では、発電機や励磁装置に見た目の異常がないかを確認します。

これは月に1回行い、早めに異常を発見して対応するために重要です。

年次点検では、発電設備の起動装置や停止装置の動作を確認して、自動起動と自動停止装置に異常がないかもチェックします。

また、内部の蓄電池に液漏れがないか、部品の緩みがないかも確認します。

こうした点検を年に1回行うことで、緊急時に備えることができます。

非常用発電設備のメンテナンスでチェックする項目

非常用発電設備のメンテナンスでは、エンジンや発電機、制御装置など、さまざまな部分をチェックします。

ここでは、メンテナンスでチェックする項目をご紹介します。

エンジン

エンジンのメンテナンスでは、クーラントやエンジンオイル、エレメントなどの消耗品の状態を確認し、必要に応じて交換します。

この部分が劣化していると、エンジンの性能に影響を与える可能性があるからです。

また、Vベルトの劣化や緩みがあると、エンジンのオーバーヒートを引き起こすことがあります。

さらに、可動部分に異物が挟まっていたり、部品が偏って摩耗していないかをチェックすることも重要です。

発電機

発電機の点検では、特にコイルエンドの汚れに注意が必要です。

コイルエンドが汚れたままだと湿気を吸いやすくなり、絶縁の劣化につながる恐れがあります。

そのため、定期的に絶縁抵抗値を測定し、問題がないか確認します。

絶縁の状態が良いと、発電機が正常に電力を供給することができるため、メンテナンスの際にはしっかりとチェックすることが大切です。

制御装置

制御装置のメンテナンスでは、振動などの影響で端子が緩んでいないかを確認します。

緩みがあると、制御装置が正常に働かなくなり、発電設備全体に影響を与える可能性があるからです。

制御装置は非常用発電設備の頭脳ともいえる重要な部分なので、点検で異常がないかを確認しておく必要があります。

エンジンオイル交換

エンジンオイルは時間とともに酸化し、粘度が下がってしまうため、年に1度の定期的な交換がおすすめされます。

粘度のあるエンジンオイルを使うことで、エンジン内部のピストンやライナの表面に傷がつくのを防ぐことができます。

また、新しいオイルを使うことでエンジンの動きがスムーズになり、長く安定して発電できるようになります。

オイル交換を行うことで、非常用発電設備の寿命を延ばすことができます。

エレメント・フィルタ交換

オイルエレメントやフィルタは、エンジン内部にゴミが入らないようにする大切な役割を担っています。

しかし、劣化したオイルエレメントをそのまま使い続けると、オイル配管にゴミが詰まることがあり、最悪の場合、事故につながることも。

定期的に交換することで、エンジンの寿命を維持し、発電設備のトラブルを防ぐことができます。

冷却水の交換

冷却水も使い続けると劣化し、濃度が低下します。

劣化した冷却水ではエンジンを適切に冷やせず、オーバーヒートの原因となることもあります。

また、防錆効果やキャビテーション(泡が発生して部品を傷つける現象)の抑制も十分にできなくなってしまいます。

数年に1度の定期的な交換を行うことで、エンジン内部を守り、設備が長持ちするようにしましょう。

バッテリーの交換

バッテリーは、非常用発電設備のエンジンを始動させるために欠かせないものです。

しかし、バッテリー性能は時間とともに低下し、気温の変化、特に冬場の寒さによっても影響を受けやすくなります。

バッテリーが劣化すると、エンジンが始動しない原因になるため、メーカーが推奨する交換時期に合わせて、新しいものに交換することが必要です。

エアフィルタの交換

エアフィルタは、エンジンに空気を取り込む際にゴミやほこりが吸い込まれないようにするためのパーツです。

吸気口にゴミが詰まると、エンジンの効率が落ちてしまうため、定期的にエアフィルタの洗浄や交換を行うことがおすすめされています。

きれいなフィルタを使うことで、エンジンが正常に動作し、発電設備のパフォーマンスを最大限に引き出すことができます。

全体の機能確認

非常用発電設備全体の機能確認も欠かせません。

設備が正常に緊急停止するかどうかや、異常な振動や騒音がないかをチェックします。

緊急停止が正しく行えるかは、安全面でとても重要です。

また、異常な振動や音がある場合、内部で何かトラブルが発生している可能性があるため、早めに点検を行う必要があります。

全体の機能確認を行うことで、非常時に安心して設備が利用できるようになります。

非常用発電設備に関することは日本BCP株式会社にご相談ください

この記事では、非常用発電設備のメンテナンスについてご紹介しました。

普段使わないものですが、緊急時に正常に稼働するように定期的に状況を確認しておく必要があります。

もし現在、非常用発電設備についてお困りの方は、ぜひ日本BCP株式会社にご相談ください。

緊急時にきちんと対応できるように、日頃から備えておきましょう。

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